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2019年3月の記事一覧

Oxbridge研修2019報告⑥

◆現地第6日目:318日(月)

<ケンブリッジ大学学生とのセッション:「エンパワーメント・プログラム」>






<最終プレゼンでの上位評価者>


<ケンブリッジ生からのプレゼン>



<ケンブリッジ生とのディベイト!>












<感謝のコメント>






以下、現地六日目の報告です。

 いよいよOxbridge研修最終日、もちろん生徒たちは遅れることなく、朝800分に食事会場に集合しました。現地でのプログラムは正味5日間ではありましたが、緊張のなか到着したBerkshire College、そして歴史とそのスケールに圧倒されたロンドン市内見学、我々ですら一週間以上前の出来事に感じるほどに、中身の濃い5日間であったのでしょう。そして、体調不良者なく、元気に最終日を迎えられたこと、すべてのプログラムに全員が臨めたことは、本当に何よりでした。

昨日晩のミーティングを受けてか、カフェテリアではグループリーダーへはもちろん、一般の学生へアタックする姿も見られ、個々に「やり残さない」の実践が始まっていたようです。

 

さて、朝900分、「エンパワーメント・プログラム」後半(二日目)のスタート前、新たなケンブリッジ大学生の紹介がありました。公共政策を学ぶ、イギリス出身のJacobMr)、実は事前の情報なく急な参加であったのですが、もちろん人数が増えることに何の文句も問題もありません。自己紹介ののちグループの一つに加わり、早速にセッションが始められました。

 

午前のセッションでは「リーダー像」をテーマに意見交換を実施、それぞれに研修を通して見えたリーダー像、あるいは自分の目標とする人物、そして本プログラムでリードしてくれる学生らをまさにロールモデルに、個々の考えを発表しました。色眼鏡的な見方が入っているかもしれませんが、昨日より全体的にぐっと熱を帯び、それぞれのグループでのセッションにも前のめり感を感じます。個々に、最終日への思いをもって臨んでいることは間違いないのでしょう。

 

セッションの最後は一人ずつのプレゼンテーションです。アドバイスを受けた構成方法、抑揚や間の取り方、効果的なジェスチャーなど、印象に残るような発表テクニックをそれぞれに活かしながら、発表が行われました。ケンブリッジ生を前に、そして27名の仲間を前に、当然かなりの緊張をしていた生徒も少なくなかったですが、その内容には、過去の自分と今の自分、そして将来へ、と本プログラムを経験したからこそ見えてきたであろう、自分自身へ思いやメッセージが込められており、いずれも聞きごたえのある素晴らしいものでした。

 

夕食を終えると、いよいよ最後のセッションです。生徒たちの一生懸命な取組みと、ひたむきな姿勢を受け、学生からもリアクションの意味と生徒らの将来へのエールを込めて、全員からプレゼンテーションをいただきました。急な依頼でしたので、口頭にて数分程度で十分、発表の仕方はもちろん、個々のゴール設定とそのためのアクションをうかがえるだけでも生徒たちには間違いなく大きな刺激に・・と思っていましたが、その想定をはるかに超えるものでした。おそらくは15分ほどしかなかったであろう休憩時間のなかで、『My Journey』を共通テーマに作られたスライド資料(まさか15分で・・と驚くような仕上がり、情報挿入)を使い、自らのバックグラウンド、幼少期及び高校時代への言及からケンブリッジへの経緯、そして研究や学びに対する今の思いと将来のゴール、とその明確かつ志高いメッセージに、強烈なインパクトを受けたことは言うまでもありません。学生らからのコメント(生徒のプレゼンに対して)にもありましたが、プレゼン時に最も大事なことの一つである「自信」、いずれの学生からも当然感じられるものでしたが、発表の慣れ(回数的な)のような表面的なものではなく、これまで志高く相当な努力で自分の道を切りひらいてきた経験からの自信なのであろうと感じました。

 

そして、もう一つ本当に最後のプログラムが行われました。何と生徒たち自らが直談判をして設定することができた「ディベイト」です。ケンブリッジ生とのディベイトなど、これ以上ない経験となることは間違いないでしょうが、単に思い出だけでは意味がありません、本気で論破する気持ちで臨むことを全員の共有として行いました。数名の生徒は、なんと先日買ったばかりの「Oxford」のスウェットを着用、その気概が伺われました(笑)。テーマは、高校における「男女共学システム」の是非、についてです。前高生27名対ケンブリッジ生5名という圧倒的な不均衡(不平等)のもとスタートすると、反対派となった生徒たちから早速の陳述がなされ、それに対してケンブリッジ生の即座の返し、当然理路整然と伝えられる根拠に生徒たちは押されつつもさらに次の陳述、そして徐々に高まる前高生の一体感、これまでで一番のチームワークであったかもしれません。もう手を挙げることに、意見を伝えることに臆している様子などはほとんど見られません。40分程度という制限のなかではチャレンジ、またケンブリッジ生らにとっては経験をさせてあげたい、程度の認識であったかもしれませんが、それでも夢のような時間を過ごすことができたこと、何よりは自分自身の思いとアクションで最後のクロージングにふさわしい機会をつくることができたこと、終わった後の満足げな表情から伺うには十分でした。学生との別れを惜しみながら、全てのプログラムが終了となりました。

 

いよいよ明日、帰国の途につきます。「生き様研修」としてどれだけの成果があったのかは、現時点では分かりませんし、多くの生徒が、恐らくは全員が課題を抱えて帰るのだと思います。しかし、課題や後悔であったにしても、本プログラムに参加でき、そして参加しただけでなく個々にチャレンジしたからこそ見えた、突きつけられた課題であると思いますので、間違いなく大きな価値があることでしょう。明日朝515分、全員が無事に集まることを祈ります。