前高ニュース

Oxbridge研修2019報告⑤

◆現地第5日目:317日(日)

<ケンブリッジ大学学生とのセッション:「エンパワーメント・プログラム」>












<ケンブリッジ大学学生とのセッション:ディベート>









<ミーティングの様子>






以下、現地五日目の報告です。

 朝850分、本日も全員元気に食事会場に集合(もちろん遅刻はありません)。本日日曜日は、通常より1時間遅い9時にカフェテリアはオープン。当然おなかをすかせた生徒たち、その無言の圧力がカフェスタッフにも伝わったのでしょう、3分ほど早く誘導してくれました。さらに、午前のクラス開始は930分、昨日に続いて正味20分という理不尽極まりない状況にも文句を言わず、まるでホテルで提供されるかのようなイングリッシュ・ブレックファスト(
スクランブル・エッグ、目玉焼き、ベーコン、ソーセージ、焼いたトマトとマッシュルーム等・・・前半に比べると豪華にすら感じます。)もしっかり味わえなかったでしょう、まさにかきこむように食べ終えると、後半二日間のハイライトとなる「エンパワーメント・プログラム」へと臨みました。

 

教室で待っていてくれたケンブリッジ大学の学生たち、本日も1名のキャンセルが伝えられていましたが、早速に代わりの学生手配が間に合い、予定通りの5名が来てくれたのは本当に良かったです。

 

さて、準備を整えた生徒たちが席に着き、学生リーダー同士の簡単なブリーフィングを終えるとすぐに、セッションはスタート。5名の学生(HogaiMaximilianMaxEmily、そして昨日も来てくれたDanielMaggie)からの軽快な自己紹介と二日間の目的共有に、生徒たちの気運も高まり、この3日間で得た成果の一つなのでしょうか、英語スピーカー風のぎこちないリアクションを返す様子がまた微笑ましいものでした。

 アメリカ出身で英文学を専攻するHodaiMs)、ドイツ出身で心理学を学ぶ
Maximilian(通称Max /Mr)、で国際政治を学ぶMaggieMs)は中国出身、そして数学と物理を学ぶDanielMr)と考古学を学ぶEmilyMs)はともにイギリスの出身です。Hodaiは元小中レベルの教師の経験もあり、生徒へのわかりやすい投げかけ、アテンションを引く話ぶりは抜群で、彼女を中心に、しかし都度パートを担当するリーダーはローテーションしつつ、午前のセッションが進められていきました。誰が担当しても、あるいは急にふられてもすぐに場の流れや雰囲気を汲んで対応、適応できる力、関心を引く話題提供、注意を引き寄せる話ぶり、グループ内で意見をまとめ誘導する力、そして笑いをしっかり交えるセンス、あまりに自然に進められるため生徒たちは感じていないかもしれませんが、このような“振る舞い”にこそ、リーダー像を見てほしい、考えてほしいと強く感じます。

 

 1245分からの昼食(45分程度)をはさみ17時まで、終始スピーキングトレーニングを軸に、プレゼンの構成指導、力強く伝える方法やコツ、そして実践的なディスカッションや随時なげかけられる質問、そしてアウトプットを繰り返しつつ、その熱気は徐々に高まっていたように思います。夕食後のセッション(1時間)では、ディベートの実践。本日一番、もしかするとイギリスに来て最も頭をフル回転させたのではないでしょうか、多くの生徒が考えや理由を(論理的に)伝えきれず、まさにもがく姿、しかし一方でチーム全体が協力してのめり込んでいる様子は、輝いていました(表現おかしいかもしれません、とても生き生き、そして真剣にということを言いたく・・)。

 

 また、前半では将来の目標(数年先の短期的なもので、かつ具体的に)について、その達成プロセスをテーマに各自短い原稿()を作成しました。最終的にはこれの発表へと持っていくながれです。最終発表で伝える内容が、この二日間のセッションを通してさらに肉付けされたり、あるいはより明確に、イギリスで学んだ、経験した色々な思いが加味されて骨太なプレゼンになることでしょう。

 

 出身や専攻、かれらのバックグラウンド同様、個性豊かな5名の学生たちとの二日間、終えればわずかな時間であったと感じられるかもしれませんが、間違いなく密度の濃い、多くのものを得る(正確には獲りに行くでしょうか)時間になるはずです。帰国後につなげるために、生徒たちが出し惜しみなくやり切ってくれること期待します。

 

尚、夕食後の学生との最終セッションを終え、本日のあるいは本日までの振返りを実施しました。基本生徒たちが自由に、しかし「生き様研修」として有意義に使う時間ということで冒頭、「明日がプログラム最終日、学生に感謝の気持ち(スピーチ)と小さなプレゼントを送ろう、では誰か?」と2年生二人からの投げかけに、半数近く(少し言い過ぎかもしれませんが、そのくらいの勢い)が挙手。最終的にはジャンケンで決めたようです。

 

 その後に、研修の振返りを実施。しかし、反省ではなく、明日につなげる前向きなコメントにしたい、ということを事前の共有として進められました。研修での学びを絶対に生かさなくてはいけないこと、ここで得た自信、ゲストの方々から得た貴重なアドバイスを糧に・・などのコメントが続きました。前向きな、が前提でしたので、その通りの進行でしたが、コメントが続いていくにつれて、いくつか印象的な言及がありました。「最初の二日間、自分は研修としてもリーダーとしても逃げていた~中略~この研修に多くの後輩を参加させたい。自分たちはどうすべきか(帰国後)も考えるべきだ」、「正直前に出る人たちを冷ややかな目で見る自分がいた。しかし、その自分が27人のなかで本当に小さく、力がなかったこと、痛感している・・・」、そして「自分は前半まるで空気と同じだった。悔しい思いが多いが、明日は絶対にやり尽くす」、「27人で来ている研修の意義、これも大きな財産。終わっても影響しあい、つながっていたい」。もちろん、前向きなコメントを述べてくれた生徒は「これからこそが・・」という強い思いをもってのコメントであること承知ですが、やはり自分に向き合い勇気を出して伝えてくれたこのようなコメントには我々もぐっときます。

 

 上記に書ききれませんが、明らかに何かを変えようという、あるいはこのままでは・・という多くの生徒の行動や表情が、色々な場面で目に入ってきます。誰かが言っていましたが、「やり切る!」、明日はこのことばに集約されるのでしょう。