学校長より

社会のリーダーとなる人材の育成を目指して

 本校は、1877年(明治10年)に創立され、今年で147年目を迎えます。卒業生総数は、約3万7千名を数え、各界で活躍しています。各学年7クラスの合計21クラス、831名の生徒が学んでいます。

 校訓である「質実剛健」、「気宇雄大」の精神を常に念頭に置き、社会のリ-ダ-となる人材の育成を目指し、学業はもとより、部活動や学校行事に積極的に取り組んでいます。
 現在、文部科学省からSSH(ス-パ-サイエンスハイスク-ル)の指定を受け、長い歴史の中で作り上げてきた独自の教育システムとSSHの新たなシステムをバランスよく融合させ、将来の国際的な科学技術人材の育成にも当たっています。
 

 前橋高校では、心身ともに逞しく、理想を追い求める「前高(まえたか)」生を力強く応援しています。

校長 天野 正明

卒業式式辞

令和6年度卒業式 式辞 

 本日ここに、同窓会、P T A の両会長様をはじめとする御来賓の方々の御臨席を賜り、第7 7 回卒業証書 授与式を、このように盛大に挙行できますことは、私ども学校関係者にとりまして、この上ない喜びであります。
 また、御列席の御家族の皆様、本日は、誠におめでとうございます。高等学校の3 年間は、自立に向けて心揺れ動く、人生において最も多感な時期であります。そのような中、皆様の深い愛情に支えられ、御子息は、今、心身ともに逞しく、立派に成長し、卒業の時を迎えています。この間、本校が賜りました多大な御支援・御協力に、改めて、厚く御礼申し上げます。  

 ただいま、本校所定の課程を修了し、卒業証書を授与された生徒の皆さん、卒業おめでとう。教職員一同、心から祝福いたします。今、前高での3 年間を終えて、皆さんの胸に去来するのは、どのような思いでしょうか。皆さんは、入学以来、「質実剛健」「気宇雄大」の校訓の下、それぞれの目標に向かって、学業、学校行事、部活動に全力で取り組んできました。私は校長として、一人一人のひたむきな努力の積み重ねを、心から讃えたいと思います。

 3 年間の高校生活のうちには、楽しいことだけではなく、辛いことや大変なことも、たくさんあったと思います。ときには、同級生と意見が衝突したり、友人との人間関係で悩んだりしたこともあったでしょう。また、学習が思うように進まず焦ったり、部活動で悔しい思いをしたりしたかもしれません。しかしながら、それらも、時が過ぎれば、自分を成長させてくれた貴重な経験として、きっと懐かしく思い出されることでしょう。
 本日の卒業式は、皆さんが、慣れ親しんだ学び舎から飛び立ち、それぞれの学業や仕事に、改めて挑戦していくという、節目の式典であります。明日からは、自らの行動に、これまで以上に大きな責任が伴います。物事を自分の頭で考え、判断し、主体的に行動する、自立した社会人として、力強く人生の舵取りをしていってください。
 さて、外に目を向けると、現在、深刻さを増す少子化・高齢化、労働市場の流動性の高まり、競争と分断・対立により混迷するグローバル情勢、自然災害の激甚化、デジタル技術の発展といった、大きな変化があいまって、社会や経済の先行きに対する不確実性が、これまでになく高まっています。これからの日本を担う若者たちは、激しい変化が止まることのない時代を生きることになるでしょう。
 こうした状況を踏まえ、今日は、校長から卒業生に、1 つお願いしておきたいことがあります。前高の生徒たちは、卒業して、どのような進路を選択したとしても、自分が属する組織のリーダーとなることを期待され、その役割を求められる機会が、必ず巡ってきます。その時に、決して、躊躇したり、尻込みしたり、逃げたりしてはいけません。大変なことが分かっていても、苦労することが分かっていても、その役目を積極的に引き受けなさい。外から批判を投げかけるだけの「アウトサイダー」ではなく、実力と品格を兼ね備えた「真のエリート」として、組織を中枢で支えていきなさい。それこそが、前高の教育が常に目指してきたものであり、前高卒業生の責務だと、私は思っています。それぞれが自分の持てる力をフルに発揮し、豊かで持続可能な社会を、自らの手で構築していってください。
 さあ、いよいよ旅立ちの時が近づいてきました。前橋高校は、皆さんの青春の思い出が詰まった故郷として、これからも、この下沖の地に在り続け、皆さんが立派に歩み続けていると信じて、教育の営みを継続してまいります。

 結びに、皆さん一人一人が、母校前高の誇りであり、私にとっては自慢の後輩たちであります。卒業生2 7 5 名の輝かしい前途を祈念し、式辞といたします。


令和7 年3 月3 日
群馬県立前橋高等学校
校長 天野正明

入学式式辞

令和7年度入学式 式辞            

 本日ここに、同窓会及びPTAの両会長様をはじめとする御来賓の方々、並びに保護者の皆様をお迎えし、令和七年度群馬県立前橋高等学校の入学式を、このように盛大に挙行できますことは、私どもにとりまして、この上ない喜びであります。
 ただいま、入学を許可した281名の新入生の皆さん、入学おめでとう。教職員、在校生一同、心から歓迎いたします。一人一人が、今抱いている希望、感動、喜びをしっかりと胸に刻み、3年間決して忘れないようにしてください。
 保護者の皆様、御子息の御入学、誠におめでとうございます。本日までの御苦労を思うとき、感慨もひとしおのことと拝察致します。
本校は、明治10年の開校以来、今年で創立148年を迎える、県下で最も長い歴史を持つ伝統校であります。卒業生は、約3万7千名を超え、国内外の様々な分野で活躍する有為な人たちを数多く輩出してきました。「質実剛健」「気宇雄大」の校訓の下、理想を追求し、未来を切り拓くために、着実に努力する人間の育成を目標に掲げ、教育の王道を行く学校です。皆さんには、前高生としての誇りを持ち、本校の伝統を引き継ぎ、発展させ、前高を更なる高みに引き上げてもらいたいと思っています。また、皆さんは、この入学式の場に立っていますが、本校に入学を希望しながら、それが叶わなかった同級生がいます。そうしたことにも思いを致し、謙虚な気持ちを忘れないようにしてください。
 さて、入学に当たり、校長として、3つのことをお願いしておきます。
 1つは、「自分で考え、判断し、行動を起こし、責任を取る」ということです。これは、将来社会に出て、リーダーとして活躍することが求められる前高生にとって必要不可欠な姿勢であります。皆さんには、学校内外のあらゆる場面で、責任ある行動を取るとともに、物事がうまくいかないときに、それを他人のせいにせず、解決に向けて何ができるかを自らに問いかけるよう心掛けてもらいたいと思います。人生をどのようなものにしていくかを決めていくのは、ほかの誰でもない自分自身だということを常に忘れてはいけません。
 2つ目は、「自らを高めるために、主体的・積極的に学び、努力し続けること」であります。本校には、高い指導力を持った教員による質の高い授業、国の指定事業であるスーパー・サイエンス・ハイスクールを核とした探究学習、生徒の自主的な運営による学校行事、海外研修や国際交流、多様な部活動など、皆さんの充実した学校生活を支援する態勢が整っています。しかしながら、これらは、生徒一人一人が、本気で自らを高めようと覚悟を持って、全力で取り組んでこそ、生かすことができるということを、肝に銘じてもらいたいと思います。
 3つ目は、「対話する力を付け、共感と優しさを持って仲間に接する」ということであります。人の価値観は様々であり、人と関わり合う中では、意見や利害の対立が生じることは、当然あります。学校内での人間関係も例外ではありません。自分と考え方の異なる人を拒絶したり、論破してやり込めたりするのではなく、互いの意見を尊重しながら、対話を重ね、歩み寄ったり、時には譲歩したりしながら、仲間と良好な人間関係を築くことのできる前高生であってほしいと思っています。
 以上、3点をお話ししました。新入生の皆さんには、前高での3年間を通して、それぞれの実力と人格に磨きをかけ、将来、自らの力で社会をより良くしていこうとする「イノベータ(変革者)」として、大きく羽ばたいてくれることを、心から期待しています。
 結びに当たり、私たち教職員は、お預かりした御子息の全人的な成長と進路実現に向けて、全力で取り組んでいくことをお約束いたします。あわせて、私たちは、学校と家庭とが、相携えて生徒の成長を図っていくことが大事であると考えていることから、保護者の皆様の御理解と御支援を切にお願いする次第であります。また、御来賓の皆様をはじめ、関係各位には、今後とも、本校への変わらぬ御支援と御協力を賜りますよう重ねてお願い申し上げ、式辞といたします。

令和7年4月8日
              群馬県立前橋高等学校 校長 天野 正明

 

歴代校長
         
初  代   内 藤 耻 叟 明治14年 2月 ~ 明治16年 9月
第 2代   大 島 貞 益 明治17年 3月 ~ 明治20年 3月
第 3代   岩 島 匡 徴 明治20年12月 ~ 明治25年 3月
第 4代   大 石 保 吉 明治25年 3月 ~ 明治26年 2月
第 5代   山 本 宜 喚 明治26年 2月 ~ 明治27年 2月
第 6代   沢 柳 政太郎 明治28年 2月 ~ 明治30年 4月
第 7代   鈴 木 券太郎 明治30年 5月 ~ 明治33年 2月
第 8代   岡   元 輔 明治33年 5月 ~ 明治40年 3月
第 9代   平 野 象 一 明治40年 4月 ~ 明治42年 2月
第10代   秋 山 恒太郎 明治42年 2月 ~ 明治44年 7月
第11代   福 井 彦次郎 明治44年 7月 ~ 大正 2年 2月
第12代   成 富 信 敬 大正 2年 2月 ~ 大正 7年 4月
第13代   桜 田 広 利 大正 7年 4月 ~ 大正14年 3月
第14代   松 下 雅 雄 大正14年 6月 ~ 昭和10年 8月
第15代   湯 沢 徳 治 昭和10年 8月 ~ 昭和16年10月
第16代   柏 木 広 吉 昭和17年 1月 ~ 昭和21年 3月
第17代   中 村 武 雄 昭和21年 3月 ~ 昭和24年 8月
第18代   大 村 武 男 昭和24年 8月 ~ 昭和30年 3月
第19代   野 村 吉之助 昭和30年 4月 ~ 昭和39年 3月
第20代   持 丸 理喜男 昭和39年 4月 ~ 昭和44年 3月
第21代   小 島 俊 作 昭和44年 4月 ~ 昭和46年 3月
第22代   竹 園   一 昭和46年 4月 ~ 昭和51年 3月
第23代   岡 本 倉 造 昭和51年 4月 ~ 昭和54年 3月
第24代   藤 生 宣 明 昭和54年 4月 ~ 昭和57年 3月
第25代   石 井 信 市 昭和57年 4月 ~ 昭和60年 3月
第26代   網 中 正 昭 昭和60年 4月 ~ 平成 2年 3月
第27代   清 水 健 二 平成 2年 4月 ~ 平成 4年 3月
第28代   由 良   智 平成 4年 4月 ~ 平成 7年 3月
第29代   樽 井   哲 平成 7年 4月 ~ 平成10年 3月
第30代   田 村   功 平成10年 4月 ~ 平成12年 3月
第31代   中 山   傑 平成12年 4月 ~ 平成14年 3月
第32代   本 多 嘉 実 平成14年 4月 ~ 平成16年 3月
第33代   坂 爪 睦 郎 平成16年 4月 ~ 平成18年 3月
第34代   野 村 直 正 平成18年 4月 ~ 平成22年 3月
第35代   吉 野   勉 平成22年 4月 ~ 平成24年 3月
第36代   小笠原 祐 治 平成24年 4月 ~ 平成27年 3月
第37代   鵜生川 隆 之 平成27年 4月 ~ 平成29年 3月

第38代

 

大 栗 勇 一

平成29年 4月

~ 令和 2年 3月

第39代

 

二 渡 諭 司 

令和 2年 4月

~ 令和 6年 3月

  現

 

天 野 正 明

令和 6年 4月

~ 現在